罰ゲームで付き合った男の子に恋した!?(前半)
私の名前は佐山希美。現在、高校二年生。
一応、クラス中では派手なグループに属していた私は、毎日、受験勉強などしないで、毎日遊んでいる。まあグループ子はみんな可愛い子達ばかりで私は、そこまで目立ってるわけではないけど。
ボーリングで友達と遊び
そんな私たちとよく絡む男子のグループがいて、その子たちとボーリングに行った。
最初は、普通に楽しんでいたんだけど、 一人の女の子があることを言った。
みんな賛成して始まった罰ゲームをかけたボーリング。みんな罰ゲームがかかると、ガチなんだよね。そして、負けたのが私。
その日、告白する人は決まらなかった。その日はとりあえず帰った。
翌日
次の日、学校でみんなで誰にしようか話し合った結果、同じクラスの長谷川千尋くんに告白することになった。
長谷川千尋くんは、ちょっとオタクな感じで、大人しくて、暗い印象の子。
男の子グループ曰く、「あいつは暗いし何も言わないから平気だよwww」というのが選ばれた理由だった。
嘘の告白する日は、一週間後の千尋くんが日直の当番の日。
放課後の教室で作業をして残ってた千尋くんに私が告白。告白した後、みんなが「ドッキリでした」出てくる流れで決まった。
告白の日
案外すんなりとOKをもらった。ここでみんなが出てくるはずだったんだけど、一向に出てこなかった。焦る私・・・。
しばらく沈黙の時間続いていると、千尋くんがメモ用紙に何か書き始めた。
とりあえず連絡先をもらい、逃げるように教室を出た。みんなどこへ行ったのか、探していると、校門の前にいた。
結局、みんな上手くに乗せられて、ノリで千尋くんと付き合うフリをすることになってしまった。まあ少しだけならいいかなと私も思ってしまった。
付き合ってから
今まで千尋くんとは全然話したことがなかった。一応、恋人という設定だからいろいろ話をした。彼は、決して明るいとは言えないけど、ただ物静かなだけで、たまに冗談を言ったり、本当は面白い人だなと思うようになっていった。
けど付き合っていることがバレるのはなんとなく嫌で、学校でも全く話さず、帰りも一緒に帰ることもなかった。
千尋くんもそれを察してくれて、
「僕なんかと付き合うキャラじゃないもんねwごめんね」
と言って協力してくれた。
千尋くんは、物静かで不器用なんだけど、ものすごく優しい人だった。このときから罪悪感を感じ始めていた。
そんなある日、千尋くんとデートに行こうという話になった。毎日、メールをして、2日に一回くらい電話もしてたけど、遊びに行ったことはなかった。私は、罰ゲームで付き合っていたことなんか忘れて、ただただ楽しみで仕方なかった。
⦅電話⦆
こうして、私と千尋くんは初デートすることになった。千尋くんがプラネタリウムもある水族館を選んだのは、高校生にしてはロマンティックだと思った。
デート当日
デート当日、それなりにオシャレをして出かけた。
行くと、千尋くんが先に待っていた。
千尋くんが照れながら「可愛い」って言ってくれて嬉しかったのはきっと一生忘れない。そんな気がする。すごくすごく嬉しかった。
それから、千尋くんがさりげなく手を繋いできて、かなりドキドキした。私の方を見て「へへっ」とか照れくさそうに笑ってて本当に可愛かった。
私も照れたよーーー
水族館デートは本当に楽しくて、一瞬で終わってしまった。
その後、プラネタリウムを観に行くだけど、上映時間まで時間があった。
ゲーセンに来た私と千尋くん。
千尋くんは、100円玉がなくて、両替しに行った。そのとき、私は大学生にナンパされた。
この大学生がまたしつこくてなかなか離れてくれない。そんなこんなしてるうちに千尋くんが戻ってきて、彼の性格上やばいかな…って思った。
千尋くんは、普段見ないようなキリッとした顔で止めてくれた。すると、しつこかった大学生たちもなんかブツブツ言いながらも退いてくれた。
やっぱりいつもの千尋くんに戻ってたけどwでもそれも可愛くて好きだった。それに、助けてくれたときはやばかった。もう完全に惚れたよね。惚れた。本当にかっこいいなと思った。
そして、プリクラを撮り、ご飯を食べて、プラネタリウムを観に行った。
プラネタリウムでもずっと手を繋いでた。そんな出来事があってだからもう最高にプラネタリウムが映えて、すごく幸せだった。
そして帰り道、駅に着いたら千尋くんは
本当は一緒に帰りたかったけど、最寄り駅だし、学校の子達に見られたくなかったから断った。こんなときまで自分の立場を気にして、私は本当に弱い奴だと思う。最低だ・・・。
高校2年の夏休み序盤
夏休みに入り、花火大会に行った。
遠出して、少し大きな花火大会へ。もちろん浴衣を着てね。
そんなことやってると、花火が上がった。すごい迫力で今まで見た花火で一番凄かった。
この頃には千尋くんことが大好きになっていった。一緒にいれることがとてもとても幸せだった。
私の中でも思い出に残った花火大会になった。千尋くんとまた来年来る約束をした。
高校2年の夏休み中盤
私は初めて千尋くんの家に遊び行った。家に入ると、一人の女の子が出てきた。
千咲ちゃんしっかりと挨拶出来て偉いなーと感心した。
そして、千尋くんの部屋に初めて入った。
アニメ好きと言っていた千尋くんの部屋には、漫画や小説がたくさんあった。まあ普通の男子高校生の部屋という感じだった。
そして、今回の目的である宿題をした。
実は千尋くんは、すごく頭が良くていろいろ教えてもらった。すっと宿題をやっていて、気が付くと19時になっていた。そろそろお開きにしようかと思っていたら、誰かが部屋をノックした。
ドアを開けると、千尋くんのお母さんがいた。
晩御飯はとても楽しかった。
千尋くんのお母さんは、とてもいい人で千尋くんの小さい頃のエピソードをいろいろと喋ってくれた。千尋くんは少し恥ずかしそうにしてたなw。また、千咲ちゃんとも仲良くなれて、「希美お姉ちゃん」と呼んでくれるようになった。そして、帰るときに千尋くんのお母さんが、
「こんな地味な子だけどよろしくね」
なんて言ってくれて、絶対大切にしようって思った。そして人生初ってくらいに充実した夏休みが終わった。
高校2年生の9月
学校が始まった。
学校ではグループがあるし、周りの目もあるから全然絡まなかった。ただ毎日電話は欠かさなくて、週末はたまにデートしたりした。もちろん遠出してね。
高校2年生の9月15日
9月15日は、私の誕生日。
いつものグループの子たちが私を祝ってくれるって言ってたけど、「今日は親戚が祝ってくれるから」と嘘をついた。なぜかというと、千尋くんとデートするために。
千尋くんは、誕生日にお洒落なイタリアンレストランを予約してくれてた。
料理はとても美味しかった。大満足だった。
そして、会計へ向かった。会計額は、まあまあの値段だった。
普段は割り勘なのに、この日は千尋くんが全部お金を出してくれた。千尋くんは、私のためにお洒落な店を予約してくれて、私のためにバイトしてお金を貯めてくれた。その気持ちがすごく嬉しかった。誕生日プレゼントは何がいいか分からないから一緒に買いに行こうってことで結局ペアルックの服を買った。本当に最高の誕生日だった。
高校2年生の10月~11月
未だに、周りには隠したまま付き合いを続けています。
ハロウィン週の日曜日には、ディズニーランドのイベントに一緒に行ったりした。例のペアルックを着てね。千尋くんに、無理矢理ミニーのカチューシャをつけさせたりしましたw
恥ずかしがりながらも、ちゃんと終始付けてくれてて可愛かったw
高校2年生の12月初旬
私は、グループの男の子たちに呼び出された。
罰ゲームで付き合って、本当に好きになったなんか絶対言えるわけない。でも大丈夫!今まで誰にも悟られずにやってきたし、これからも秘密に付き合っていけるはず。
高校2年生の12月25日
私は、千尋くんとデートする約束をしている。
まぁ、恋人同士だから当然だよね。けど、学校では話さないことにしているから、現地で待ち合わせ。いつものように、別々に出て、現地へ行こうとしたら、グループの男子に呼び止められた。
私は、友達の梨花からクリスマスの予定聞かれていた。千尋くんのことは言っていないので、「クリスマスは何も用ないよ」と嘘をついていた。それが何故か彼らに筒抜けになっていた。これは断れない状況になってしまった・・・
千尋くんには、
「やっぱり今日は家族と一緒ってなったからごめん。明日にしよう」
ってメールで伝えた。
残念そうにしてたけど、OKしてくれました。
私は、結局その男の子と一日遊んだんだけど、これが驚くほど楽しくなかった。千尋くんと初めての制服デートのはずだったのに・・・
私は何してんだろうって感じだよ本当に。
高校2年生の12月26日
翌日の教室
放課後
昨日は、遊べなかったけど、今日は千尋くんと遊べる。
授業中からワクワクして、授業に集中できなかったし。とりあえず、昨日と同じ待ち合わせ場所に行こうとしたらメールが来た。
差出人:長谷川千尋 |
ごめん。。。今日は遊びたくないやぁ…
|
昨日あんなに楽しみにしてくれてたのに、どうしたんだろう?何かあったのかな?態度の急変に、不思議に思いながらも、とりあえず家に帰ることにした。
家
家に着いて、ゴロゴロしてたら、男友達からメールが来てた。
差出人:男友達 |
今日、千尋が「僕の彼女と遊んだってどういうこと?」って言ってきたわ(笑)。あいつまだ希美の彼氏だと勘違いしてたから言ってやったわ。「付き合ってたフリしてただ。別にお前のこと好きじゃないから」
そしたら、アイツ黙り込んでどっかいったし(笑) |
私が一番恐れていたことがおこってしまった・・・
まずい・・・まずは誤解を解かないと・・・
宛先:長谷川千尋 |
千尋くん本当にごめんなさい。
最初、告白は罰ゲームだったけど、千尋くんといろいろと話しをして、すごく優しい人だと知ってから、惹かれていきました。今では本当に大好きです。私が変な意地張って、付き合っていることを隠すようなことしたけど、離れたくないです。本当にごめんなさい。 |
その日、千尋くんから返信が来ることはありませんでした・・・
高校2年の12月27日
翌日、直接謝ろうと思ったけど、千尋くんは学校に来ませんでした・・・本当にまずいことになってしまった。今更、謝っても遅いけど、とにかく謝りたかった。
放課後
放課後、私は千尋くんの家に向かった。
家の前に着き、一度、深呼吸して、チャイムを押した。すると、妹の千咲ちゃんが出てきた。
⦅10分後⦆
雪が降る中、外で22時くらいまで待っていたけど、結局、出てくれませんでした。
その日は、家に帰ることにしました。
23時頃
その日、23時頃千尋くんから一通メールが来ました。
差出人:長谷川千尋 |
こんな暗い僕と付き合うわけないですよね。 浮かれて迷惑でしたよね。ごめんなさい。今まで楽しかったです。ありがとうございました。明日からは学校にちゃんと行くので僕のことは気にしないで大丈夫です。 本当ごめんなさい。 |
今回の件は、私が全て悪い
あのとき友達に聞かれたとき「千尋くんとは本当に付き合っている」っていえばこんなことにならなかった。私が見栄張ったせいで、つまらない自己保身のために、千尋くんを傷つけてしまった。
悲しませてしまった・・・。
本当に最低だ。
なのに、なんで千尋くんはメールで謝っているんだろう・・・
なんで私は、千尋くんを謝らせているんだろう・・・
私に対して、怒りをぶつけていいはずなのに、どうして、千尋くんは怒らないだろう・・・
どうして、こんなにも千尋くんは優しいのだろう・・・
初デートでナンパされた私を守ってくれたこと。夏休み、かき氷を食べながら、花火を見たこと。夏休みの宿題を付きっきりで手伝ってくれたこと。私のために、バイトをして、誕生日に高級レストランに連れていってくれたこと。二人でディズニーランドに行って、はしゃいだこと。毎日、メールや電話したこと。
私は、千尋くんとの大切な思い出を思い出して、涙が止まらくなった。
今すぐ謝ろう
今思っている気持ちを伝えよう
そう思って、電話をかけた
「おかけになった電話はお客様のご都合によりお繋ぎできません」
そのときには既に遅くて、着信拒否されていた。メールも通じなかった。
その日を最後に、千尋くんとは疎遠になってしまった・・・